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広島市立広島市民病院 脳神経内科医の1日

広島市立広島市民病院 脳神経内科

市内電車を「紙屋町東」で降りて地下街を5分ほど歩くと病院に到着する。G7広島サミットで話題となった原爆ドームは目と鼻の先だ。中央棟8階の脳神経内科の病棟に上がると、窓からは広島城や建設中のサッカースタジアムが見える。「昨日はカープ勝ったのー」を挨拶がわりにいつもの1日が始まる。昨日は血栓回収があり、河野智之部長(脳神経血管内治療専門医)が後期研修医を指導してTICI3をばっちり決めた。「きっと術直後より良くなっているだろう」とつぶやきつつ新規入院のチェックを急ぐ。当院の血栓回収は年に60例程度ある。7時30分、カンファレンスルームに入ると上利大部長(てんかん専門医)が、初期研修医にレクチャー中で、「この発作は、脳のどこに異常があるでしょう」との声が響く。モニターに脳波と発作中の動画が映し出されている。カンファレンス後に通常業務が始まる。上野弘貴部長からギラン・バレー疑いの入院依頼の電話があった。後期研修医に連絡し、直ちに髄液検査、神経伝導検査が始まる。続いて髄膜炎の緊急入院もあった。「Film array ®︎だしたかな?」そんなことを考えつつ、すれ違った製薬企業の方から「サトラリズマブの処方が県で一番になりましたよ」と教えてもらう。視神経脊髄炎の新患も増加傾向かな。そういえば、今日は、夕方のカンファレンス後に東京の先生を講師に迎えてのパーキンソン病の講演会が隣のホテルで行われる。その後は懇親会もある。「コウネ」、「小鰯」、「つけ麺」など広島の地酒と一緒に食べていただきたいなあ。仕事を終えた順に皆んな駆けつけてくる。脳神経内科医がもっと増えたら、きっともっと楽しいはず。「そうじゃ!当院に興味ある方はぜひこの動画もあわせて見んさい!待っとるよ!」
https://www.youtube.com/watch?v=OnnfumPH5m0&t=14s
(文責 脳神経内科主任部長 野村栄一)